2010年1月28日木曜日

1970年頃の日本のモータースポーツ

我が家に1969-1972年頃のオートスポーツ誌が10数冊あります海外ではフェラーリP4やフオードGT、シャパラル等が争った60年代半ばがレースの黄金期と言われることが多いようです。わが日本のレース界も日産R381,382やトヨタ7などに滝レーシングが挑んだ60年代後半から70年代前半のこの時期を黄金期とするファンが多いようです。  

31日のニューイヤーミーティングのスワップミートに出そうかと考え押入れの奥から持ち出した当時のオートスポーツ誌を見ていると懐かしいラリーの記事が出ていました。静岡のクラブGGMCが主催したムーンライトラリーが1969年12月6-7日に静岡、山梨を舞台に開催されたのですが実は私、この当時GGMCの代表であった村手氏のコース作りのドライバーを務めておりこのラリーコースも私自身が走って作成したものなのです。 ですから当時の主戦場、御坂峠、笹子峠の旧道、明神峠や富士の演習場など今でも目をつぶっても走れるくらい熟知していました。このラリーの競技長を務められたのは日本のレースドライバーの草分けであり映画若大将シリーズで有名な江原達治氏その人、ある時江原先生から直接ラリーの運転を教えてもらったことがあるのですがまさに”目から鱗”、車というのはこんなにも安全に速く走れるのかと感激でした。ちなみにこのGGMCムーンライトラリーの勝者は最近の全日本で活躍されている勝田選手のお父上、勝田照夫氏でした。

最近昔のモータースポーツを研究している方に古いオートスポーツ誌が資料として人気があるのだとか、このブロブの読者の方でもこの時代のオートスポーツ誌に興味がある方がおられましたら売れてしまう前にご一報ください。
                                        FIATおじさん


2010年1月25日月曜日

FIAT 850 クーペの車検無事取得出来ました

31日のニューイヤーミーティングも迫ってきた今日、やっとの思いで850クーペの車検取得に成功しました。昨年5月に車検が切れて以来8カ月ぶりです。 実はこの車、今月号の某自動車趣味の雑誌にも登場していますが白状するとその取材時は仮ナンバーだったのです。

ユーザー車検歴20数年、百戦錬磨(?)のFIATおじさんにとってもこのクーペの車検はちょっと難問なのです。 というのもこの車、こと車検については3重苦を抱えているのです。 まずエンジンはベルリーナスペシャルからの換装(つまりエンジン形式が100GBと100GBCで微妙に異なる)、しかも鼻の油をかなり磨り込ませてあるとあって新鮮な(?)COをたっぷり含んだ排ガスを排出する健康優良児です。さらに後輪には検査員を刺激するかなりのネガティブキャンバー、ウインドウオッシャーは出ないくせにノズルだけはある(ノズルがなければ付いていませんで通ってしまうのですが)、後は古い車にお決まりのオイル漏れ等々。
ネガティブキャンバーを目立たせないように細めのハイトの高いタイヤに履き替え、ウインドウオッシャーはビアンキのものを一時移植、エンジンナンバーは言い訳をあれこれ考えつつ車検場へ向かいました。
さて一応の予備検査を終えて排ガス計とにらめっこしながらエンジン調整、デスビの進角を目いっぱい遅らせ、スローのミクスチャーを絞り、一方回転は高めに、と一応の定番メニューをこなすもCOが落ちればHCが上がり、HCが下がればCOがとなかなか規定の4.5%、1300PPM以下には落ちてくれません。 それでも何とか妥協点を見つけいざ車検場へ、ラインに入る前には車の下にもぐり洩れたオイルをきれいにふき取ります(この辺は慣れたものです)
エンジン型式の件については850のエンジン型式は発電機の付くすぐ横に小さく刻印されているのですがうまい具合に刻印が薄く消えかかっており辛うじて文字いくつかが読める程度、鏡を持って行って誠意を見せて説明すると幸い”C”一文字が違っている点についてはおとがめなし(元々同じエンジンですから文字一つに拘る方がおかしいのですが)無事合格の印をもらってホッとしてラインへ、各項目すべて順調にクリアしたもののHCがXであえなく再検査、予備検査場に戻り再度調整、2回目のラインへ、ところが今度はHC、OKなれどCOでX,再度調整(ちなみに車検場は3回まで無料で再検査が受けられます)思い切って回転を上げ(2500rpm程度のアイドルで)挑戦、祈るような気持ちで結果待ち(ちなみにこの程度まで回転を上げると排圧が上がりプローブをほんの少し突っ込むだけで計測可能となります)、数秒後、表示板にOKの緑のサイン、思わずやった(!!)の声が出ました。
これでめでたく合格、ちなみに私、いつも難しい車検に合格した際は近くの喫茶店で(今時珍しいサイホンで入れてくれます)一人お祝いのティータイムを楽しむことにしているのです。 さてそれではと車検場を出る瞬間なんとエンジンが止まってしまいました(出る前に進角とキャブはノーマルの設定に戻してあります)。幸いすぐかかりましたが少し走るとまたストップ、これはマズイと喫茶店をあきらめ祈るような気持ちで帰路に。 我がガレージまでは約30分の道程、ちょうど中間点にあの鈴木名人のQEDがありせめてそこまで走ってくれとエンジン回転を2000以下に落とさないように、極力信号で止まらないように頑張っていたら(水温が下がってきたのが良かったのか?)途中から普段の調子を取り戻し無事帰宅、結局家でお祝いのティータイムとなりました。原因は不明ですがかなりの時間スローを上げて車検場に居た為、水温が上がり燃料系がオーバーヒート(ベイパーロック)を起こしていたことが考えられます(850は水温はタフであまりオーバーヒートしませんが燃料系は熱に弱く夏場高回転を続けた後止めると始動が困難になります)。
最近になく緊張した車検でしたがまずは目出度し、次は31日無事お台場まで行き着けるよう頑張って整備します(今回は大阪のH氏が850クーペで自走で参加される由、近くに住む私がリタイアするわけにはまいりません)。
というわけで皆様、31日お目にかかれるのを楽しみにしています。

                                FIATおじさん

2010年1月16日土曜日

花嫁の父(?)


遅れていたガレージの整理も少しずつはじまりました。右の写真がその一部です。
実はAutomobilia --- Spark Plug World に出している“商品”の大半は私自身が30年かけて集めたコレクションなのです。 写真の中央左に大きなプラスチック製のチャンピオンプラグのモデルが壁に取り付けてあるのが写っています。このモデル昨年12月末に縁あって静岡のミニカー屋さんのもとに嫁いで行きました。なんでもお店の天井に飾っていただけるのだとか。 こんなうれしい事はないのですが出荷するときになって思わず“お前、新しい御主人のもとで元気で過ごすんだよ”と独り言が出てきてしまいました。これっていわゆる花嫁の父の心境でしょうか? 私も2人の娘を嫁がせましたが(娘2人にはブーイングをもらいそうですが)その時よりももっと寂しいような気がします。
だったら売らなければいいのですが、だんだんと残り少なくなってくる車人生、コレクションを一人で抱え込むよりもチャンピオンの愛好家が少しでも広がればと思って商品のリストに載せる決心をした訳です。30年代や50年代のサインボードなどもいずれ嫁ぐ日が来るのでしょうがその時は涙が止まらないかもしれません(ちょっとオーバー?)
                                  FIATおじさん

2010年1月8日金曜日

アウトビアンキA112ジュニア --- 究極のエコカー(?)

前回に続き再度時代を反映したお話です。
最近ビアンキA112ジュニアを足代わりに使っています。 なんでビアンキかって? 何せこのエンジン勝手知ったる100Gシリーズ903CC,つまり私のライフワークたるFIAT850シリーズ後期型やパンダ初期型と基本的に同じな訳です(もっとも850とビアンキでは回転方向が逆ですが)。
これが903CCとは思えないほどよく走りしかもうれしくなるほど小食なのです。 普通に走って17-18KM、高速ばかりでしたら20KM超も可能です。もともと容量の小さいタンクは燃料ゲージの針が下1/4 程度になって満タンにしたって15L程度しか入りません。そんなバカなと思ってセルフスタンドでノズルの自動ストップを無視して継ぎ足していたら本当にあふれてしまいました。
このエンジン、デビューは1964年、なんと46年前の基本設計です。私のA112ジュニア自体も80年代前半の個体ですからもう25年以上も前の車ですが最近のエコカーもびっくりの低燃費を30年以上前にしかも走行性を犠牲にせずに実現していたのには驚きます。この時代のイタリア車はボディーの防錆処理の甘さであまり評判がよろしくありませんし我がビアンキもボディーについてはご多分に洩れずですが反面、さすがビアンキできびきびとよく走りますしシートの掛け心地は絶品、最近の軽とさして違わない小さいボディーは街中の使い走りにぴったりです。

毎日ヒステリックにエコが叫ばれていますが補助金を出してまで古い車を捨てさせ無理やり新しい車を買わせるのが本当に地球に優しいエコなのでしょうか? 私には何だか違ってるような気がしてなりません。
車に限らず古い道具を直しながら使い続ける、しかもこれがリッター20KMの経済車ならこれこそが地球にやさしい本当のエコではないでしょうか?
                         FIATおじさん

2010年1月7日木曜日

”30ドロ”のすすめ

読者の皆さま明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて年明け早々から二玄社発行の自動車雑誌の名門NAVI休刊のニュースが伝えられました。最近の不景気、若者の車離れ、活字離れの結果なのでしょうが何とも寂しい気がします。

我々古い車仲間で人気の某雑誌で時々”100ドロ“企画なるものをやっているのはご存知と思います。100万程度の予算で手に入る古い車をいくつか紹介し泥沼にはまってしまう仲間を増やそうとする中々楽しい企画で私もいつもハマっている読者の一人なのですが昨今の厳しい経済情勢の下、ボーナスカット、お小遣いカットが当り前の時代、日本の平均的若者や”おとーさん”にとって100ドロでも厳しいのではないでしょうか?
そこでお勧めしたいのが“30ドロ”です
幸か不幸か10-20年落ちのヨーロッパ製中古車の価格は不当に安く、おしゃれで立派に動いている車が下取りに出そうとすれば“お客さん、すみませんが処理費用を頂くことになってしまいます”などと言われる始末です。こんな車を手に入れて頑張って自分で車検をとればだいたい20万程度であなたも趣味の車(いえいえ立派にファーストカーとしても通用します)のオーナー、イベントにだって参加できそこで友達の輪が広がること請け合いです。ちなみに”20ドロ”ではなく”30ドロ”としたのはそうはいっても古い車ですから思いがけないトラブルはありがち、そんなときのために多少の余裕は見たいと思うからです。車種はいたって豊富、オシャレなフレンチ、熱いイタリアン、渋いブリティッシュいずれも個性豊かな役者が救いの手を差し伸べてくれるのを待っています。

“そうはいってもすぐ壊れるのでは”とか“こういう車はメカに詳しいオタクが乗るもので自分にはとても”と思っているあなた、ちょっとだけ勇気を出してみませんか? 年に1、2回は路上でえんこするかもしれません。寒い朝、エンジンをかけるにはちょっとした儀式が必要かも、でもそれがどうかしましたか? だいたい趣味などというものは何の役にも立たないのがあたりまえ。苦労をすればするほどのめり込んでいくものです。それとこの企画、武骨な男性諸氏だけでなく、”おねーさん”や“おばさん”にもお勧めです。何だかわからないブランド物(失礼)を身につけるより何食わぬ顔をしてパンダ(もちろん旧型です)やツインゴ(これも旧型です)あたりでカフェに乗りつけるほうがはるかにオシャレでしょう!! それに万一路上でえんこしてもかわいい女性ドライバーがオシャレな車で助けを求めていたら絶対救いの手が差し伸べられますから。 

わかった、ちょっと見てみようかなと思ったあなた、次の疑問はじゃあそんな車、どこで買えるの?ショップの広告に出ている車はもっと高いし? となると思います
広告に出ている車は一般に程度がよくそれなりにコストがかかっています。また在庫費用も、広告費用もこれ全てコストです。でもそんなショップにも必ず”30ドロ”で手に入る車はあるはずです。なぜなら下取り車や、どこかで見つけてきたレストアベース車があるからです。 
かくいう私のホームページの趣味の車" For Sale" コーナーに出ている車たちも大半が20万で諸経費まで含んでおつりが来ます。 いずれも車検があり立派に足代わりとして活躍中です。
下に写真を乗っけておきますのでご覧ください。 どうですオシャレでしょう?


                 ルノーツインゴ  19万(諸経費全て込み)


 FIATプントHGT さすがに2005年モデルのプントHGTは20ドロでは無理ですがそれでもオール込み40万です 




ビアンキA112ジュニア 諸経費込み18万 


                                                                        
シトロエンZX 諸経費全て込み20万

いささか説教じみたお話と広告のようになってしまいましたが申し上げたかったのは限られた予算でも少しばかりの勇気と努力があれば車遊びは出来るということです。そしてそこから得られる喜びは1000万の車でも30ドロで頑張った車でも同じなのです。路上で同じ車に出会ったら必ず笑顔が返ってきます。イベントでオーナー同士の苦労話に花が咲きます。 むしろ苦労した30ドロで得た喜びのほうが完全にレストアなった車を手に入れるよりも大きいかもしれません。 最後に某雑誌の編集部さん、人気の企画をパクッてしまってすみません。でもきっとご賛同いただけると思っています(次回の特集にいかがですか?)。
                                     FIATおじさん