2011年4月2日土曜日
ちょっと変わったスパークプラグ
100年余りになる内燃機関用スパークプラグの歴史の中にはアッと思わせるようなユニークなデザインのプラグが多々あるがここに紹介するのはその中でも極めつけの一品、その名もファンフレーム、1920年代にアメリカで登場し立派に企業化、そこそこの本数を売り上げているのであながち一発明家の気まぐれで生まれたものではなく少なくとも当事者は真剣であったに違いない。写真を見て頂くと解りやすいが中心電極の先端に小さなファンが付いていてこれが燃焼圧力によって回転する仕組みになっている。このファンによってたとえカーボンが付いてもすぐに拭き払うので電極はいつもクリーンに保たれるというのが売りである。放電はどうするかと言うとこのファンの先端とシェル(金属部)先端との間のギャップで放電するのでスパークする場所は定位置ではない。実際に手に取ってみるとファンは比較的軽い力で回転する。貴重品なので分解するのは諦めたのでこのファンのサポート部分がどうなっているかはわからないが果して燃焼圧力と生成物に耐えて長時間機能するのかはなはだ疑問ではある。これが後の世のスパークプラグの基本にならなかったところをみると“アイデアは良かったんだけどねー”と言ったところかもしれない。 いずれにしても技術者のロマンを感じる作品ではある。
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