2010年7月7日水曜日

クライスラーフルサイズカーの思い出

最新の自動車雑誌でアルファジュリエッタの試乗記を読んでいたらこのプラットフォームが将来クライスラー社のコンパクトカーにも使われる予定--- とありました。 そうかクライスラーは今やFIATグループの一員なのですね、ということは過去10年以上にわたって足としてクライスラーのフルサイズを3台乗り継いだクライスラーファンのFIATおじさんにはうれしい事です。 そんな訳で今日はここ10年余りのクライスラーフルサイズカーの思い出を書いてみたいと思います。
1台目はクライスラーが経営的に苦しく(苦しい時は何度もありましたが)新車の開発もままならなかった時期LH(Last Hope と揶揄されました)として発表されたイーグルヴィジョン、日本にはこのモデルがクライスラーヴィジョンとして導入されました。3.5L V6エンジンで非常にスタイリッシュですが乗ってみると古いアメリカンフルサイズカーのフィーリングが強く残る車でした。ボディ剛性など議論以前の段階でしたが本来想定された使い方をする限り何の問題もありません。結局この車には5年半、26万KM(!!)乗りました。 ノートラブルですが8万KM当たりでエンジンの異音がしディーラーでクレームでブロック交換をしています。次が300M、LHの成功で一息ついたクライスラーが渾身の力を込めて開発したモデルです。 エンジンは同じくV6 3.5L、室内とトランクは圧倒的に広く素晴らしい車でした。3代のフルサイズカーの中ではこのモデルがベストで今でも程度の良い中古車があればと真剣に思っています。 この車には5年23万KMあまり乗りました。途中16万KMあたりでオートマがダウンし修理に50万ほどかかりましたがそれ以外はノートラブルでした。 初代、2代目共にクライスラージャパンを通じて正規輸入されましたが期待に反して全く売れず町で出会うとお互いが振り返って会釈するほど、たぶん総輸入台数はそれぞれ3ケタのごく下の方だったと思います。
最後が現役の300Cです。 足回りはメルセデスEクラスの構成部品が流用されているとか、最新のテクノロジーが投入されているそうですが室内もトランクも先代に比べ大幅に狭くなりその押し出しの強いスタイルも含めてあまり好きになれませんでした。ただしどうやら世の中の常識と違っているのは当方らしく本国はもちろん日本でも販売は好調でクライスラーフルサイズとしては初めての日本における成功作となりました。この車は結局1年余り4万KM弱の走行距離でもちろんノートラブルでした。 最後に300Cの名誉の為に付け加えるとアメリカの砂漠でみる300Cは本当にかっこいいと思います。 さしもに押し出しの強いデザインも広いアメリカでは何の違和感もなくましてや砂漠の一本道ではるか彼方からこの車がライトを点灯して走ってくると本当にカッコよいのです。やはり自動車のデザインはその車が生まれた環境を無視しては語れないものなのでしょう。
次のFIAT、アルファ、クライスラー合作車が魅力あふれる車であることを念じています。

1 件のコメント:

  1. 300Mはずっと前に、大磯のお宅で夕食を御馳走していただいた時に、乗せていただいた思い出があります。
    アメ車の良さって、広さと安心感だと思いました。
    あの時はありがとうございました。

    車は脇役で、主役は家庭を持つ人々、本当はそれもあるべき車の姿なのですが、全く小難しい時代になったものです。
    本来米車は、日本で売れなくなったときに中国を目指せたら、クライスラーの苦境も小さく済んだかもしれません。

    ただ中国の近代化は、21世紀まで遅れて、今からと本格的モータリゼーションと、ポストガソリン車の洗礼が同時に訪れるでしょう。
    米国の個性派、クライスラーの良さを活かした車作りが復活することを、私も同じく思います。

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